2009年7月19日

福島県石川町 全日本実業団サイクルロードレース in 石川

結果   (BR-1:5周)20位 (1min18sec遅れ)/106人出走

2009年の実業団シーズンもヒルクラが多かった前半戦が終了して後半の公道を使ったマスドレースになります。ヒルクラはパワーウェイトレシオと体力&精神の持久力で戦うわけですが、マスドレースでは下りを含めた走行スキルや集団内の駆け引き、それに状況判断能力や度胸も含めた総合力で戦うことになります。この石川大会のコースは距離、コースプロフィール共にスキップ朝錬と似ているし、今回のスキップからの参加者は百戦錬磨で集団内の動きに即座に対応できる面子なので確実に我々に適していると言えるはず。過去にも入賞者やTop10以内の結果を数多く残しているし、今年もやれると信じていましたが、ここまで活躍できるとは。

昨年同様に今年の石川大会も前日に現地入りするために、東名の向ヶ丘バス停まで自走して相原さん車に拾っていただく。夏休み最初の週末なだけあって朝から下り方面は東京料金所で既にまったく車列が動かないほどの大渋滞になっています。ということは我々の向かう東北方面も確実に東北自動車道は渋滞が予想されるはず。こんなときは常磐自動車道を使うのが吉です。那珂ICからひたすら下道を通って14時半頃に現地に到着。30分ほど前に到着していたチャンプ石井さんと阿部さんと合流してコースを軽く走り出します。途中にラバネロやアクアタマな方々の集団と一緒に、そして勝負どころの4Km坂では記憶を確かめながら明日に備えて心拍を上げつつ2周で終了。試走の後半は少し雨がぱらついていましたが、自転車を積んで出走受付へ向かい始めた頃から本降りになってきました。試走で雨に降られなかったのは良い事ですが、この調子では本番はかなりの湿度に悩まされることになりそうです。
今年の宿は受付を行うホテルにそのまま宿泊なので非常に楽チン。食事もそれなりに量があってまあまあだったかな。食後に町にレース前後の水や補給食を買出しついでにこの日に誕生日だった阿部さんに贈るケーキなぞも一緒にホテルへ。軽くビールを飲みながらケーキをみんなで食べて午後10時過ぎには就寝でした。ただし、このホテルを含めたこの地域一帯は携帯の電波が入らず、せっかく持ってきたiPhoneにインストールしたRabo iTourでツールの状況をチェックしようとしていたのに、それができずに残念でした。しかしこの日のツールはヒンカピーがロングエスケープを決めて彼の長いキャリアの中でもっともイエロージャージに近づきながら必死に追い上げたマイヨジョーヌ集団が5秒差でジャージを守る、というスリリングな状況になったので電波が入っていたら気になって寝られなかったかも。

レース当日は6時に起床。すぐにテレビの天気予報を確認すると「東北地方北部は大雨になるでしょう」とのこと。ここは東北地方南部なので大雨にはならないかもしれませんが、少なくとも多少の降雨は覚悟したほうが良いのか。駐車スペースに車を駐車して自転車の準備や他チームの知り合いなどと話していたらアップの時間がなくなりそう。慌ててスタート地点である学法石川高校へ向かい出走サインを済ませます。パレード区間と4Km坂でアップして戻ったら、今回の有力選手である若松さん@たかだフレンドが何やら真下さん@アクアタマからアドバイスを受けているぞ。アドバイスの内容を全部は聞き取れなかったけど、とにかく他の人を当てにせずに信じて行け、ということを言われていたらしい。今までのレースでも積極的な走りをしていた彼だが、今回も狙っているな。要注意。超絶エースの才田さんを欠いているとはいえ、それ以外の面子も活躍しているエルドラードやチーム力No1の宇宙軍団、のぼりが強くクレバーな走りをするダブル原田さん@イナーメ/Team ARI、そして他にはパワースプリントに強い善波さん@フジバレンティーニや圓谷さん@チェブロあたりが有力どころでしょうか。スキップは過去にこのコースで好成績を残している阿部さんと、地力は飛びぬけているのになぜか過去に悪い結果しか残せていない新井さんがダブルA(頭文字A、そしてエース)。私を含めた残りのメンバーでアシスト作業になります。

レース装備
スペシャライズド ターマック w/ 78デュラ
マビック コスミックカーボンプロ(改)
水500mlボトル2本

TRが9時30分に、BR-1もそのすぐ後ろからスタート。3Kmほどのパレード区間では沿道に多くの人が集まって声援をかけてくれる。集団も妙な動きをする人も無く落ち着いて走行します。その中盤ほどで安全に気をつけながら進んだ4Km坂の麓で先導の審判車から見える赤旗から白旗に変わって本番スタート。すぐに集団の前方に移動しますが、いきなり最初から速いです。集団前方をキープしながら周回のゴール地点を通過。この調子で残り5回もこの坂を登るのか・・・と少し気分がブルーになった時に視界に飛び込んできたのは新井さんが先頭を突っ走る姿。そうか彼だったか(笑)。それ以外にもエルドラードが3人で非常に積極的に集団前方で新井さんとやり合っています。そんな周回1周目の4Km坂の麓でエルドラードの1人が突然落車。登り始めていてスピードが出ていなかった為に後続は彼を避けていきましたが、ちょっとヒヤリとしました。レース後に聞くと、どうやら立ち漕ぎと同時に前輪がパンクしてバランスを崩したらしい。彼が残っていたらレース展開はもう少し変わっていた可能性がありました。そして、この登りも速め一定。相変わらずきついです。
2周目に入っても相変わらず先頭付近で突っ走る新井さんを抑えるために先頭まで出て行って私の姿を彼に見せる。チームメイトが同じ集団にいるのを見ると気持ちが落ち着くはず・・・って群馬CSCのデジャブでしょうか。そして集団が落ち着きを見せた頃に阿部さんも集団前方付近に上がってきた。そして依然として先頭で展開するエルドラードに対抗すべく?徐々に宇宙軍団が先頭付近に集まってきます。人数に物を言わせて集団をコントロールか?レース後に聞くと、今年は昨年までのBR-2よりもペースは速かったらしく、確かに常に速度が速い中。今のBR-1は昨年のBR-1.5 というところなのかもしれません。
相変わらず速め一定なので、誰も集団から抜け出す動きを見せないまま迎えた3周目になって新井さんに1周休むように命令(苦笑)。彼にはここで脚を溜めて、この後にもっと頑張ってもらわねば。そして彼に下がってもらったからには、その間の展開は私が対処せねば。なんて考えていた4Km坂で、とうとう若松さん@たかだフレンドがアタック。それに5名ほどがついていってすぐに10秒ほど離れてしまいます。レース前の真下アドバイスをこの高速の集団から実行してしまう積極性は素晴らしい・・なんて感心している場合ではなく、彼の力を考えるとそのまま危険な存在になる可能性もあるけど、まだ集団は大きい。集団効果が大きいこのコースで脚を使って追いかけるか放置するか判断が微妙です。しかし誰も追う気配が無かったので1段目の坂が終わる頃に私がペースアップして前へのブリッジを試みます。するとエルドラードの角田さんや他のチームでも同調する動きがあって協力しながら追ったら周回最初の1Km坂の手前で彼らを吸収しました。新井さんを下げた局面で火傷にならずに対応できたのは良かったでしょう。
前を捕まえた集団はそれまでのハイペースから一転、一気にペースが落ちます。ここで気をつけなくてはいけないのはカウンターアタックですが、幸いにもそんな動きは無く、私も一休みできました。しかし、夏の日差しが顔をのぞかせ始めたコース上は蒸し暑さ倍増でTRと区別するために装着を義務付けられたヘルメットカバーの中で頭は沸騰寸前。スタート前には予想もしなかったペースでボトル内の水が減っていきます。この時点で集団は40名強?だったでしょうか。
しかし続く4Km坂で若松さんが再びアタック!今度は彼を含めて4人で行ってしまう。私はこの時に少し集団先頭から離れた位置にいたので気づかなかったのですが、この逃げには若松さんだけでなく、先ほどから攻撃を繰り返していたエルドラードの一人と圓谷さんが含まれていたようです。少し遅れて先頭付近にいた阿部さんと新井さんが2人で集団から抜け出すけど、微妙に逃げの4人とは離れてしまいます。この様子を後続集団の前をふさぐ形で見ていた私としては、ここで2人に協力して3人で追う案もありましたが、流石にチームメイト同士で集団を引き連れてしまう可能性がある動きは出来ない、と自重です。新井さんを引く阿部さんがこちらの様子をチラチラ見て前とこちらの距離を測っていたようですが、しばらくすると2人がペースを落としてこちらの集団に合流。結果的にこれが脚を使いすぎずに最後の成績に影響したナイスな判断となりました。
最終周のバック側の下りで4Km坂に入ってしばらくしてから阿部さんと一緒にペースアップする事を新井さんに依頼。2人の力であれば、あの坂だけで前に十分に追いつけるはず。そして予定通りに残り4Km看板の手前で新井さんと阿部さんを含む数名がペースアップ。少し離れて10名強が追い、私はその後ろの集団に取り残されました。もうこれ以上ついていく力は脚には残っていませんでした。本当は2人をアシストしなくてはいけないし、悪くともその次の10名強に入りたかったけどこれが今の私の実力。
最終的には思惑通りに一人を残して逃げを吸収して新井さんが2位、阿部さんが5位入賞と最高とは言えないまでもまずまずの結果を残してくれました。私も何とか20位でゴール。これで実業団のマスドレースで連続20位以内ゴールの記録を辛くも継続できました。それにしても、この3人の結果は普段のチーム錬で彼らから最後には千切れてしまう、という展開とまったく同じ。練習は嘘をつかないですな。

午後のERレースでは何と最後の坂で単独でアタックした相原さんが逃げ切り優勝!そしてチャンプ石井さんが最後の4Km坂で脚を攣りながら無事完走。
最終的にBR-1では32名完走/108名エントリー、ERに至っては27名完走/121名エントリーというサバイバルレースになりました。それぞれ、最終周に入った時点で先頭集団に残っていた人しか完走できなかった模様です。そんな厳しいレースで入賞者3名=副賞の桃を3箱ゲットしたのは十分にチームの力をアピールしたと考えて良いでしょう。

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