2004年6月27日

長野県浅間温泉−ツール・ド・美ヶ原

今年は乗鞍や他のヒルクラ人気にあやかって各地でヒルクラを開催しているようですが、多分その"あやかり"の先陣を切ったのが、ここ美ヶ原でしょう。乗鞍と同じ主催者がそれまでのノウハウを活かしながら、毎年コースに合わせた改良を繰り返しているようで、年々参加者が増えて今年はなんと2300人以上がエントリーしたらしいです。特に昨年に申込が殺到してしまった乗鞍を回避して参加している人が美ヶ原に参加しているみたいです。そういう私もその口。
しかしこのコースは毎年、序盤に死屍累々の有様を呈する最大勾配17%の激坂があまりにも有名。参加経験者は口をそろえて「ここの坂で押して歩く人に巻込まれないように」なんて言葉を聞きます (しかしこの事前調査があまりにも薄くて結果的には泣きを見る事になります)。死ぬ前に1度噂の激坂を見てみたい!の一念で参加を決めました (大げさ)。

当然季節は梅雨なわけですが、今年は異常気象なのか雨が少なめ。そして予報でも何とか持ちそう。レースする分には有難い事です。今回はポン!チームの仲間と同宿/隣の宿の合計11名での参加。レース前日の受付後、早速噂の15%勾配を試走しに行きます。
スタートしてすぐに右折するといきなり10%弱の勾配が現れます。そして1Kmも行かないうちに噂の急勾配が目の前に。既に試走の時点で多くの人が自転車を降りて押しが入っています。まさかこんなに早く噂の坂が出てくるとは全く予想していなかったので、こんな短い距離では心拍が上がっていません。しかしこの坂は先に見える鳥居までのようで距離は300m程度か。とりあえず23Tで登ってみましたが、一気に自分的にはかなり高い175拍まで心拍が上がります。ここをクリアして「さあ少しは楽できるかな」と考えたのは大きな間違い。実は10%以上の勾配は2.5Km以上続くのでした・・・ 和田峠の頂上付近程ではないですけど、序盤から相当きついですな、これは。無理しない程度のペースで登って美鈴湖脇の売店で休憩。ここまで20分ちょっと。皆さんが登ってくるのを待って下山。レース当日はもっとペースが上がるからギヤ比とペースに注意してこの後の再びの登りに備えたいね、なんて考えていたんですけど・・・
この試走終了時にリアホイールに僅かながら振れが出ているのを確認していたにも関わらず、そのまま放置していました。それを直していれば後の悲劇は起きなかったはず(?)。

レース当日。5時に起床して前日に買いだめしてあった朝食を食らいます。と言うのも美ヶ原ではチャンピョンクラスで7時半、遅くても8時半にはスタートするので、宿では時間が早すぎて朝食を用意出来ないのです。でも、自分たち以外の同じ宿の宿泊者たちは6時から用意される朝食を食べてからスタート地点に向かっているみたいです。内臓が強くて羨ましい限りです。
スタート地点横の競技場?周りを周回してのアップ最中に見る見るうちに周囲を走る人数が増えてきます。さすが2300人以上のエントリーだけあります。久しぶりにこんな数の自転車見ました、って余裕かましている場合じゃありません。こんなにゆっくりなのに斜行する人などがいて危なくなってきたので、スタート地点へ移動です。しかし既に自分のスタート位置にはぎっしりと自転車が置いてあって間を歩くのも苦労するほど。
ここは15%勾配で参加者が詰まるのを防ぐ為に年齢順に100人程度に区切ってスタートしています。これであれば例の坂でも詰まる人は少なくなるでしょう。しばらくして近くにポンチームメイトを見つけたので話していたら、昨年の沖縄以来の梅田さん@和田サイクルにお会いしました。どうもです。頑張りましょ。えっ、最後の下りの後に2つの登り返しがあるんですか?覚えておきます、なんてこんな時間に話してちゃまずいですよね・・・

で、スタート。いきなりペースが上がりました。慌てて最初の右折地点へ。ここでは10番手辺り。そのまま15%坂へ向かいます。坂に入ると一人良い勢いで登っていきます。自分はその後の第2集団の前方でクリア。試走では23Tでしたが、レースでは25Tで無理せず。そのまま美鈴湖までその位置をキープ。基本的に23T、時折25Tで終了。第1CPは18分34秒で通過です。ここまでは自分の予想通りの展開。ここからの平地区間で3人になって先頭交代しながら武石峠への登り第2幕の始まり。最初は5%程度の勾配で「最後までこのままだったらもっとペース上げられるな」なんて考えていましたが、甘かった。進むにつれて勾配が7%、8%と増していき、時折10%程度の坂が現れ始め、次第に気分が滅入ってきました。第2CPを通過した時に近くにいた人に登りの残りの距離を聞くと、あと8Km以上ある、との返事に思わず力が抜けます。
この頃、リアホイールに異変を感じ始めていました。どうもサドルに感じる振動が一部で乱れます。最初は路面自体の凹凸を拾っているかと思いましたが、この辺りのコースは林道とはいえきれいに舗装された路面でヒビ等ほとんどありません。ということはホイール自体に問題が発生している可能性があります。思わず昨日確認していたホイールの振れを思い出しました。試しに走りながらブレーキアーチを広げてみると振動の強さが多少減ります。間違いなくホイールに振れが出ています。しかもブレーキパッドに当たるほどの状態になっている可能性が高いです。当然ニップル回しなど持っているはず等なく、ここからコースの半分を軽いブレーキをかけながら登る羽目になりそうです。かなりのショックでしたが、そのまま継続。次第に同じ時間にスタートした人に次々と抜かれます。最大のショックはトゥークリップにランニングシューズの人が結構良いペースで抜いていったことでしょう。
中間地点過ぎてから2分前にスタートした組の人とずっと併走状態。追いついているんだから自分が前に出られるはずですが、雲の中に入って視界が悪くなっていたこともあってかなりの疲労感でペースが上がりません。そのまま結構な勾配が続きますが、考えるのは「早く下りにならないかな」というだけ。途中でわずかに勾配がゆるくなったところで下りに備えて喜んでペースを上げますが、200m程度で再び登りに。更に気落ちしてしまってペースがまた落ちたところで第3CPを通過。ここで中村さん@チーム物見山に抜かれましたが、これで気合が入ってさほど離れずにようやく待望の下りにかかりました。前に中村さんを先頭に3人の集団、少し離れて自分を含む5人くらいの集団。既に振れているホイールのことが頭にあってスピードを上げたくなかったのですが、自分の集団では誰も前を引きません。仕方ないので直線で無理しない程度に前との差をつめてようやく下り始めて最初の登り手前で追いつきました。2回目の下りでは新たに大きくなった集団の前を引きます。この辺りでようやく雲の上に出たのか周りが開けたところで最後の登り。周りは一気にペースを上げましたが、自分は千切れ・・・よろよろとゴール。1時間20分27秒、わずかながら1時間20分に届かず。

ゴール後にリアホイールを見ると1本のスポークでニップルがリムにほとんど埋め込まれた状態で危うく抜ける寸前。こんな状態で50Km/h以上の下りを耐えていたかと思うとぞっとします。これでは帰りの下りでさえ危険です。続々と会う知り合いにニップル回し有無を聞きますが、普通持っていないよなあ、とあきらめかけたら稲村さん@チームWADAが貸してくれました。本当に助かりました。

レースは続きます、人は増えてきます、でも寒いです。早速ウォーマーとウィンドブレーカーを着込みますが、それでも冷えます。でも下山できません・・下山の開始はゴールして1時間近くたった頃でした。まあ、レース管理の面から仕方ないんでしょうけど、結構つらかったですね。

今回のレースの反省点がいくつか挙げられると思います。

1. コースを知らな過ぎ
他の人のレースレポで事前に調べたのは周囲の数名と昨年のCクラス優勝者である和田サイクル RC 御木さんのレポート、そして少数の掲示板のみでした。で、自分の頭に残ったのは「いきなりの15%激坂」と「コース終盤にある下り」という2点のみ。結果的に自分的に一番きつかった美鈴湖から武石峠までの登り区間が10Km以上ある事を全く認識せずにいたおかげで第2CP以降は結構精神的に切れていました。

2. 整備不良
今回持っていったマビック・ヘリウムは寿命が近い事が分かっていました。そしてレース前日の試走終了時にリアホイールに僅かながら振れが出ているのを確認していたにも関わらず、そのまま放置していました。普通に考えれば、栂池の登り下り+試走の50Km余りで振れが出るのはおかしいですよね。この時点で対処していればメカトラは無かった可能性は高いです。

3. モチベーション不足
栂池で自分の伸び代の無さを感じてしまってモチベーションが維持できていなかったかも。

機材、コース取り更に体調管理が上手く行けばあと3、4分くらいはタイムを縮められる気がします。今年は多分、ヒルクライムはもう出ないので、来年になってからどうするか考えますか。

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